最後までやってるやつに集まる話
2020年5月11日、晴天。隣の集落に住むTさん夫妻の田植えを手伝った。
先週手伝ったときは、雨が降るかどうか微妙な天候が続き、一日日程がずれたのだった。田植えは雨だとあまり具合がよくないという。人が濡れてしまうだけでなく、顆粒の肥やしがダマになり、機械がつまってしまうのだ。今日は少し暑すぎて、少し風が強かった(これもよくない)ものの、それなりによい日だった。
Tさんから聞いた田んぼがらみの話題で、私が一番気に入っているのは「最後までやってるやつに機械が集まってくる」という話だ。高齢化が進むこの地域にあっては、自ら管理ができなくなり地元の農事組合法人に田んぼを預けてしまうということがもうほとんどだが、Tさんはまだ現役で踏ん張っているうちのひとりだ。先に預けた人は機械が不要になるので欲しい人に譲る。すると自ずと機械は「最後までやってる」Tさんに集まる、という話。実際Tさんが使っている田植え機は誰かから譲り受けたものだったりするのだ。
祭礼などそうだと思うのだけれど、面倒だと思いながらも長い時間をかけて続けてきたことには一種のオリジナリティのようなものが宿る、と最近考えている。おそらく田植えもそうで、だからTさんとの作業は楽しい。なるべく夫婦喧嘩はしないでほしいけれど。
しかし、Tさんがやめたらあの田植え機はどこへ行くのだろうか。その魂みたいなものは。
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