獅子舞のこと
毎年、3月29日にはこの地域の春祭りが開催され、青年会を中心に獅子舞を出します。
とやまの獅子舞100選にも選ばれた格好いい獅子舞です。
私たちはこの地域に住み始めて5年目になりますが、
この伝統行事にはかなり救われたと感じています。
地縁血縁のない土地に暮らし始め、右も左もわからないなかでは、
まずは人とのつながりが拠りどころとなります。
町内会や地域の出役に参加したときに出会えるのは、基本的に各家の家長です。
おのずと65歳前後の方が多くなります。
私は長くその土地で暮らしてきた人の話を伺うのが好きなので、
楽しい環境だと思っていますが、それだけだと自分と同年代や少し上/下の世代、
あるいは子どもたちと会う機会はなかなかありません。
様々な世代の方がいるなかに身を置ける環境が、獅子舞の練習にはありました。
子どもに獅子とりの作法を教えている青年は、むかしの子どもであり、
いずれ腕を組みながら若者に獅子の作法を教える年長者となります。
世代間を貫くかたちで、ひとつの文化をつくりあげること。
それは地域を維持する力強い仕組みであるとともに、
外から入った者をゆるやかに受け入れてくれる仕組みでもあります。
そうしたことに感謝して、29日はカシラを振りたいと思います。
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